歯ぐきの違和感を、そのままにしていませんか?
歯みがきで血が出る・腫れる・口臭が気になる方へ
「歯をみがくと少し血が出る」「歯ぐきがむずがゆい感じがする」「以前より口臭が気になる気がする」──こうした変化があっても、強い痛みがないために様子を見てしまう方は少なくありません。ですが、そのようなサインの背景には、歯ぐきに炎症が起きている可能性があります。
歯周病は、歯の表面や歯ぐきの境目にたまった細菌のかたまり(プラーク)によって炎症が起こり、少しずつ歯を支える組織に影響していく病気です。はじめの段階では、歯ぐきの赤み、腫れ、出血といった比較的軽い症状が中心のため、「疲れているだけかもしれない」「歯ブラシが当たっただけ」と受け止めてしまうこともあるでしょう。しかし、こうした小さな違和感は、お口からの大切なサインであることがあります。
特に、朝起きたときのお口のネバつき、歯ぐきが下がってきた感じ、食べ物が詰まりやすくなった、口元の清潔感に不安がある、といった変化が重なっている場合には、一度お口の状態を確認しておく意義があります。歯周病は、単に「歯ぐきの病気」とひとくくりにできるものではなく、進行の程度や原因が患者様ごとに異なるため、自己判断だけでは状態を把握しにくいのが特徴です。
世田谷で歯周病について相談先を探している方のなかには、「まだ受診するほどではないかもしれない」「怒られそうで行きづらい」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。ですが、歯科医院は、症状が強くなってからだけでなく、“気になり始めた段階”で相談する場所でもあります。違和感の原因が歯周病であっても、そうでなくても、今のお口の状態を知ることは、今後の安心につながります。
痛みが少ないまま進行しやすい歯周病の特徴
歯周病が注意を要する理由のひとつは、かなり進行するまで強い痛みが出にくいことです。むし歯のように「ズキズキ痛む」「冷たいものがしみる」といった分かりやすい症状が出るとは限らず、静かに進んでいくケースが多くみられます。そのため、患者様ご自身では問題が小さいと思っていても、検査をしてみると歯ぐきの奥で炎症が進んでいた、ということもあります。
歯周病が進行すると、歯ぐきだけでなく、歯を支えている骨にも影響が及ぶことがあります。すると、歯ぐきが下がる、歯が長く見える、歯がぐらつく、噛みにくいなど、見た目や機能の面でも気になる症状につながる可能性があります。ここまで進んでから治療を始める場合、必要な処置や通院期間が増えることもあるため、早めに状態を把握しておくことが大切です。
また、歯周病は生活習慣やセルフケアの状態、噛み合わせ、詰め物・被せ物の適合性、喫煙習慣、全身状態など、さまざまな要因が重なって起こることがあります。つまり、「ちゃんと歯をみがいているつもりなのに、なぜか歯ぐきの調子が良くない」という方でも、磨き残しだけでは説明できない背景があるかもしれません。だからこそ、表面的な症状だけではなく、お口全体を見ながら原因を整理していく視点が重要になります。
歯周病とはどのような病気なのか
「歯周病」は身近に潜む病気です
歯周病は、痛みを伴わないことが多く、気付かないうちに歯がグラグラして最終的には抜け落ちることがあります。実際、歯周病は歯を失う主な原因の一つとして挙げられており、令和4年の厚生労働省の調査によれば、日本人の約半数(47.9%)が何らかの歯周病の兆候を示しています。歯周病は日本人の「国民病」と呼んでも過言ではないでしょう。
歯周病は一度治っても再発しやすいですが、日常生活の習慣を見直し、適切な治療を受けることで、その進行を抑え、健康な口内環境を取り戻すことが可能です。
歯周病という言葉は耳にしたことがあっても、「自分にはまだ関係ない」「年齢を重ねてから気をつけるもの」と感じている方は少なくないかもしれません。ですが実際には、歯周病は特別な人だけに起こる病気ではなく、日常の中に身近に潜んでいるお口のトラブルのひとつです。
たとえば、歯みがきのときに少し血が出る、歯ぐきが腫れぼったい、朝起きたときに口の中がネバつく、口臭が気になる、以前より食べ物が詰まりやすくなった──こうした症状は、よくある不調として見過ごされがちです。しかし、その背景に歯ぐきの炎症が隠れていることがあります。しかも歯周病は、むし歯のように分かりやすい痛みが出ないまま進行することもあるため、ご自身では気づきにくいのが特徴です。
毎日歯をみがいている方でも、歯並びや磨き癖、歯と歯ぐきの境目の清掃の難しさなどによって、汚れが残ってしまうことがあります。そこに細菌が集まり、少しずつ炎症を起こしていくことで、歯周病のはじまりにつながる場合があります。つまり、歯周病は決して特別な生活習慣の人だけのものではなく、多くの方に起こり得る、ごく身近な疾患だといえます。
歯ぐきの炎症から始まり、歯を支える骨に影響する病気
歯周病は、歯そのものが悪くなる病気ではなく、歯を支えている周囲の組織に炎症が起こる病気です。具体的には、歯ぐき、歯を支える骨、歯の根のまわりの組織などに影響が及びます。はじめは歯ぐきの赤みや腫れ、歯みがきのときの出血といった比較的軽い変化から始まることが多く、この段階は「歯肉炎」と呼ばれます。歯肉炎の段階では、炎症の中心は歯ぐきにとどまっているため、適切なクリーニングやセルフケアの見直しによって改善を目指しやすい場合があります。
しかし、炎症が続くと、歯ぐきの表面だけでなく、その奥にある歯を支える骨にまで影響が及ぶことがあります。これが一般的に「歯周炎」と呼ばれる状態です。歯周炎が進むと、歯と歯ぐきのすき間が深くなり、そこに細菌や汚れがたまりやすくなります。このすき間は「歯周ポケット」と呼ばれ、深くなるほどご自宅での歯みがきだけでは清掃が難しくなる傾向があります。結果として炎症が慢性化し、気づかないうちにお口の環境が悪化していくことがあります。
歯周病の原因として中心になるのは、歯の表面に付着するプラーク(細菌のかたまり)です。見た目にはやわらかい汚れのように感じられますが、実際には多くの細菌が集まってできており、放置すると歯ぐきに炎症を起こす要因になります。さらに、プラークが時間とともに硬くなると歯石になり、歯ブラシでは落としにくくなります。歯石そのものが強い毒性を持つわけではありませんが、表面がざらついているため、さらに汚れや細菌が付着しやすくなる点が問題です。
また、歯周病は単純に「磨き残しが多いから起こる」というだけではありません。歯並び、噛み合わせ、被せ物や詰め物の段差、食いしばりや歯ぎしり、喫煙習慣、生活リズム、全身の健康状態など、さまざまな要因が影響することがあります。そのため、同じように見える症状でも、原因や進み方は患者様によって異なります。
歯周病のやっかいな点は、初期のうちは痛みなどの自覚症状が少ないことです。症状がないわけではなくても、「少し血が出るだけ」「たまに腫れるだけ」と受け止めてしまいやすく、受診の優先順位が下がりやすい病気でもあります。その一方で、実際には少しずつ炎症が進み、歯を支える土台に影響していることもあります。だからこそ、違和感が小さい段階でも、お口の中で何が起きているのかをきちんと知ることが大切です。
むし歯とは異なる、歯を失う原因になり得る疾患
歯周病を理解するうえで大切なのは、むし歯とはまったく別の病気であるという点です。むし歯は、歯の表面や内部が細菌の出す酸によって溶かされていく病気です。一方、歯周病は歯そのものではなく、歯を支えるまわりの組織に炎症が起き、その支えが弱くなっていく病気です。つまり、見た目に大きなむし歯がなくても、歯周病によって歯を残しにくくなることはあり得ます。
実際に、歯周病は成人の歯の喪失につながる要因のひとつとして広く知られています。ただし、ここで大切なのは、必要以上に不安をあおることではありません。歯周病といっても、すべての方がすぐに歯を失うわけではなく、進行の程度や治療介入のタイミングによって見通しは変わります。重要なのは、「今どの段階にあるのか」「どのようなケアや治療が必要なのか」を早めに把握することです。
むし歯は、痛みやしみる症状がきっかけで受診につながることが多い一方、歯周病は静かに進行しやすいため、受診のきっかけをつかみにくい傾向があります。そのため、気づいたときには歯ぐきが下がっていたり、歯が揺れていたり、食事のしづらさを感じたりすることがあります。こうした状態になる前に、出血や口臭、腫れといった小さな変化を見逃さず、早めに相談できるかどうかが大切になります。
なぜ歯周病になるのか
プラークや歯石の蓄積と細菌の影響
歯周病の出発点として多いのは、歯の表面や歯と歯ぐきの境目に付着するプラーク(歯垢:細菌のかたまり)です。プラークは食べかすそのものではなく、細菌が集まって膜のようになったもので、歯みがきが届きにくい場所に残ると、歯ぐきに炎症を起こすきっかけになります。はじめは歯ぐきが赤くなる、腫れる、出血しやすくなるなどの変化が中心ですが、放置すると炎症が歯ぐきの奥に広がりやすくなります。
プラークは時間が経つと唾液中の成分などと結びつき、硬い歯石に変化していくことがあります。歯石自体が強い毒性を持つわけではないとされていますが、表面がざらついているためプラークがさらに付着しやすくなり、細菌がたまりやすい環境をつくってしまいます。しかも歯石は歯ブラシでは取り除きにくく、セルフケアだけで完全に管理するのが難しくなることもあります。
歯みがき習慣、噛み合わせ、生活習慣など複数要因の関与
歯周病の原因はプラークや歯石だけではありません。
実際には、いくつもの要素が重なり合って起こることが多く、同じ「歯周病」という診断名でも、進行のしかたや改善のためのポイントが患者様ごとに異なります。ここでは、歯周病と関係しやすい代表的な要因を、できるだけ分かりやすく整理します。
まず、歯みがき習慣です。
回数だけではなく、磨き方(当て方、力加減、磨く順番、時間)によって、汚れの残り方は変わります。たとえば、歯と歯ぐきの境目は歯周病に関わる重要な部位ですが、ここに毛先が届いていないと、磨いているつもりでも炎症が落ち着きにくいことがあります。反対に、強く磨きすぎることで歯ぐきが傷つき、しみる・下がるなど別の悩みにつながることもあるため、自己流を続けるより、状態に合った方法を選ぶことが大切になります。
次に、歯並びや被せ物・詰め物の形も影響します。
段差があったり、清掃しにくい形だったりすると、その周囲にプラークがたまりやすくなることがあります。また、歯と歯の間は歯ブラシだけでは届きにくく、フロスや歯間ブラシなどの補助清掃用具が必要になる場合があります。ただし、どれを選ぶか、どう使うかはお口の状況によって異なるため、合わない道具を無理に使うと歯ぐきを傷つけることもあります。適切な選択と使い方の指導が、予防と改善の両面で大切です。
さらに見落とされやすいのが、噛み合わせや食いしばり・歯ぎしりの影響です。
歯周病は細菌の炎症が中心ですが、そこに強い力が加わると、歯を支える組織が負担を受けやすくなることがあります。たとえば、同じ程度の炎症でも、噛む力の偏りが強い部位だけ進行が早いように見えるケースがあります。日中の食いしばりの癖や、就寝中の歯ぎしりは自覚しにくいこともあるため、検査やお口の状態から推測して対応を考えることが重要になります。
そして、生活習慣も無関係ではありません。
喫煙習慣がある方は、歯ぐきの血流や免疫反応に影響し、炎症のサイン(出血など)が出にくい一方で、進行に気づきにくいことがあります。また、睡眠不足やストレス、食生活の乱れなどは、お口の環境に影響することがあるともいわれています。もちろん、生活習慣だけで歯周病が決まるわけではありませんが、治療やメインテナンスを安定させるうえで、無視できない要素として捉える価値があります。
このように、歯周病は「汚れを取れば終わり」という単純な構造ではなく、汚れが残りやすい理由や炎症が続きやすい背景を丁寧にほどいていくことで、再発しにくい方向性を考えやすくなります。
世田谷区で歯周病治療を専門に行う世田谷上町エレノア歯科で歯周病治療を検討する際も、表面的な処置だけでなく、患者様それぞれの生活や不安に寄り添いながら、原因を整理していくことが、安心につながる土台になります。
このような症状がある場合はご相談ください
歯ぐきからの出血、口臭、ネバつき、歯ぐき下がり
歯周病は「痛くなってから行く病気」というより、小さなサインの段階で気づけるかどうかが、その後の見通しに影響しやすい病気です。ただ、日常の中で起こる変化は些細に見えやすく、「たまたまかな」「疲れているだけかも」と流してしまうこともあります。
まず多いのが、歯ぐきからの出血です。
歯みがきのときに血がつく、フロスを通すと出血する、うがいをしたときに赤くなる、といった変化がある場合、歯ぐきが炎症を起こしている可能性があります。もちろん、歯ブラシの当て方が強すぎて一時的に傷つくこともありますが、同じ場所で繰り返す、歯みがきのたびに起きる、という場合は一度確認しておくと安心です。出血は「不潔だから」ではなく、炎症の結果として起こるサインであることが多いため、必要以上に自分を責める必要はありません。
次に気づきやすいのが、口臭やお口のネバつきです。
朝起きたときの口の粘つきが強い、マスクの中のにおいが気になる、家族に口臭を指摘された、といったお悩みは、歯周病を調べるきっかけになりやすい症状です。口臭にはさまざまな原因があり、必ずしも歯周病だけで説明できるものではありませんが、歯ぐきの炎症が続くと、お口の環境が乱れ、においが出やすくなることがあります。市販のケア用品で一時的に紛れることはあっても、原因が残ったままだと「また気になる」という状態を繰り返しやすいため、根本の確認が大切になります。
さらに、歯ぐき下がり(歯肉退縮)も、相談につながりやすい変化です。
「歯が長く見えるようになった」「歯と歯の隙間が目立つ」「食べ物が詰まりやすい」といった感覚は、歯ぐきの位置が変化しているサインかもしれません。歯ぐき下がりは加齢だけで起こるものではなく、歯周病による炎症、過度なブラッシング圧、噛み合わせの負担など、複数の要因が関与することがあります。原因によって対応の考え方が変わるため、自己判断でケアを強めすぎるよりも、状態を見て方針を立てるほうが安心です。
歯周病の症状は、“一つだけ”ではなく、複数が重なって現れることがあります。たとえば「出血+ネバつき」「口臭+歯ぐき下がり」といった組み合わせがある場合、早めに確認しておくと気持ちの面でも落ち着きやすくなります。受診の理由は「治療したい」だけでなく、「今の状態を知りたい」でも十分です。
歯が浮く感じ、揺れ、食べにくさなど進行時のサイン
歯周病が進行してくると、歯ぐきの炎症だけでなく、歯を支える組織に影響が及び、日常生活の中での“噛む感覚”に変化が出ることがあります。具体的には、歯が浮いたように感じる、噛むと違和感がある、以前より歯が動く気がするといった感覚です。こうした症状は、歯周病以外の原因でも起こり得ますが、放置してよいサインとは言い切れないため、一度しっかり確認することをおすすめします。
特に、歯の揺れ(動揺)は不安になりやすい症状です。
歯は本来、わずかに動く性質がありますが、揺れが強くなったり、揺れている歯が増えたりする場合、歯を支える骨や歯ぐきの状態に問題が起きている可能性があります。ここで大切なのは、「揺れている=もう抜ける」と短絡的に決めつけないことです。実際には、揺れの原因(炎症、噛み合わせの負担、歯ぎしり等)を評価し、状況に応じた対応を考えることで、見通しが立てられるケースもあります。だからこそ、早い段階で状況を把握する意義があります。
また、食べにくさも見逃せないサインです。
硬いものが噛みにくい、噛むと歯ぐきが痛い、片側で噛む癖がついた、食事のたびに同じところに物が詰まる、といった変化は、噛む機能が落ちている可能性を示します。歯周病が背景にある場合、炎症が落ち着かない状態で無理に噛み続けることで、負担が増えることも考えられます。
さらに、膿(うみ)が出る/歯ぐきにできものができる、歯ぐきが大きく腫れるといった症状がある場合は、炎症が強くなっている可能性があるため、できるだけ早めに相談することが望ましいでしょう。強い症状が出たときほど、「怖い」「痛そう」「費用が心配」と感じて受診をためらう方もいますが、まずは検査で状態を把握し、どのような選択肢があるのかを整理するだけでも、不安は軽くなることがあります。
歯周病を放置するリスク
炎症の慢性化による歯ぐき・骨への影響
歯周病は、細菌による刺激によって炎症が慢性的に続く病気です。つまり、一時的に少し腫れるだけではなく、炎症が長く続くこと自体が問題になります。慢性的な炎症が続くと、歯ぐきが下がる、歯と歯の間に隙間ができる、歯が長く見えるといった見た目の変化につながることがあります。さらに進行すると、歯を支える骨が少しずつ減っていき、歯の安定性が損なわれる可能性もあります。
また、炎症が続くことで、お口の中の清掃状態も保ちにくくなることがあります。歯ぐきが腫れているとブラッシング時に出血しやすくなり、「血が出るから触らないようにしよう」と磨くのを避けてしまう方もいます。しかし、その結果さらに汚れが残りやすくなり、炎症が続きやすくなるという悪循環に入ることもあります。だからこそ、歯周病は“症状が軽いうちに確認する”ことに意味があります。
症状が進んでからでは治療が長期化しやすいこと
歯周病は、早い段階で見つかった場合と、進行してから対応する場合とで、必要になる処置の内容や通院の負担が変わることがあります。もちろん、すべてのケースが同じではありませんが、一般的には、症状が進んでからのほうが治療のステップが増えやすい傾向があります。
また、歯周病が進行すると、患者様ご自身の不安も大きくなりやすいものです。「どこまで悪くなっているのだろう」「治療は痛いのだろうか」「費用や期間はどのくらいかかるのだろう」といった疑問が増えるほど、受診へのハードルが高くなってしまうことがあります。しかし実際には、早い段階で相談したほうが、状態を整理しやすく、必要な治療の優先順位も立てやすくなります。わからないまま不安を抱え続けるより、まずは検査で現状を知ることのほうが、精神的な負担が軽くなることも少なくありません。
歯周病の診断と治療プロセス
歯周ポケット、出血、動揺度などの基本検査
歯周病治療では、いきなり処置を始めるのではなく、まず現在のお口の状態を正確に把握することが大切です。歯ぐきが腫れている、出血がある、口臭が気になるといった症状があっても、その背景にある原因や進行の程度は患者様によって異なります。だからこそ、歯周病の診断では「なんとなく悪そう」という感覚ではなく、複数の項目を確認しながら、治療の必要性や優先順位を整理していきます。
代表的な検査のひとつが、歯周ポケットの測定です。
歯周ポケットとは、歯と歯ぐきの境目にある溝のことで、健康な状態では浅く保たれています。しかし、歯周病によって炎症が起こると、この溝が深くなっていくことがあります。専用の器具で深さを確認することで、どの部位に炎症があるのか、どの程度の管理が必要かを把握しやすくなります。患者様にとっては少し緊張しやすい検査かもしれませんが、今のお口の状態を知るための大切な情報になります。
あわせて確認するのが、出血の有無です。
歯周ポケットの測定時や歯ぐきに軽く触れたときに出血がある場合は、歯ぐきに炎症が起きている可能性があります。出血は、単なる“刺激に弱い歯ぐき”というより、炎症のサインとして捉えることが多いため、どの部分に炎症が残っているのかを把握する手がかりになります。ご自身では「少し血が出るだけ」と感じていても、検査によって炎症の広がりが見えてくることもあります。
さらに、歯の動揺度(どの程度揺れているか)を確認することも重要です。
歯周病が進行すると、歯を支える組織が弱くなり、歯が揺れやすくなることがあります。ただし、歯の揺れには歯周病だけでなく、噛み合わせの負担や歯ぎしり、食いしばりなどが関係していることもあります。そのため、単に「揺れている=進行している」と決めつけるのではなく、何が背景にあるのかを見極めながら考えていく必要があります。
このほかにも、歯ぐきの腫れの程度、プラークや歯石の付着状況、磨き残しの傾向、歯ぐき下がりの有無、被せ物や詰め物の状態など、お口全体を見ながら確認していきます。歯周病は一部分だけの問題ではなく、お口全体の環境の中で起きる病気だからです。たとえば、一見すると歯ぐきの炎症だけのように見えても、実際には磨きにくい歯並びや、段差のある補綴物、噛み合わせの偏りが影響していることもあります。そうした背景まで丁寧に見ていくことで、表面的な処置だけで終わらない治療計画につなげやすくなります。
世田谷で歯周病治療専門外来の世田谷上町エレノア歯科では、CTスキャンなどの科学的検査を用いて、歯周病の原因となる細菌を正確に特定します。これに基づき、患者さんの症状や感染している細菌の種類に最も適した治療計画を立て、個別に対応する治療を進めています。以下、当院で実施している各種検査と治療方法について詳しくご説明します。
科学的手法による「検査」で原因を明確に特定
歯周ポケット検査
歯周ポケットの深さは、歯周病の進行度を判断する重要な指標です。歯周ポケットが深くなると、そこに細菌が蓄積しやすくなり、炎症やその他の歯周組織の問題を引き起こす可能性が高まります。
咬合検査
歯には咬合性外傷と呼ばれる病気があります。この病気は、症状が歯周病と非常によく似ていますが、治療法は異なります。そのため、まず最初に正確な診断を行うことが重要です。
口腔内写真撮影
当院では、口腔内写真で患者さんのお口の内部を詳細に記録することで、ブラッシングの磨き残し、噛み合わせ、歯並びの状態、さらには治療後の変化までを全て丁寧に評価しています。この綿密な記録と分析に基づき、各患者さんに最適な治療計画を立てることが可能となり、治療の精度を大幅に向上させることができます。
CT検査
歯周病は、顎の骨を支える歯を徐々に溶かす進行性の疾患です。この病気の影響を受けた骨の状態は、肉眼で確認することができません。そのため、正確な診断が不可欠です。多くの歯科医院では、この目的でレントゲンを使用し、骨の様子を観察します。しかし、当院ではさらに進んだ技術であるCTスキャンを利用しています。CTは360度周囲を回転しながら撮影するため、従来の2次元レントゲンと比較してより立体的で詳細な画像を提供し、骨の微細な変化まで捉えることが可能です。これにより、歯周病の診断と治療計画の精度が大幅に向上します。
原因菌に「直接アプローチ」する治療法
PMTC
歯周病の症状を効果的に改善するためには、日常の歯みがきが非常に重要です。しかし、家庭でのブラッシングだけでは、歯と歯の間や歯周ポケットの深部に蓄積した歯石やプラークを完全に除去することは難しいです。これらの困難な部分の清掃は、専門的な歯科医院での介入を必要とします。
歯科医院で行われるこのような専門的な口内クリーニングは、「PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)」と称され、経験豊富な歯科衛生士が最先端の器具を使用して、これらの隠れた汚れを効率的に取り除きます。定期的なPMTCを受けることで、家庭でのケアだけでは手の届かない部分の衛生管理を強化し、長期的な口内健康を支援します。
歯周病治療の流れ
STEP1検査
患者様のお口の状態を詳しく確認します。歯周病の進行度を把握するために、歯周ポケットの深さを測定し、あわせて出血の有無や炎症の状態を確認します。さらに、必要に応じて口腔内写真やレントゲン写真を撮影し、歯ぐきだけでなく、歯を支える骨の状態まで含めて診断します。症状や必要性に応じて、CT撮影を行うこともあります。
STEP2状態の説明
歯周病は、細菌だけでなく、歯みがき習慣、歯並び、噛み合わせ、生活習慣など、さまざまな要因が重なって進行する病気です。そのため、検査結果だけで判断するのではなく、患者様のお悩みやご希望も伺いながら、原因を整理し、適した治療計画をご提案します。治療内容については丁寧にご説明し、十分にご納得いただいたうえで進めていきます。
STEP3初期治療(クリーニングや歯石除去、セルフケアの見直し)
治療の基本となるのは、まずセルフケアの見直しです。毎日の歯みがきがしっかり行えるよう、歯ブラシの使い方や、必要に応じてフロス・歯間ブラシなどの補助清掃用具の使い方もお伝えします。そのうえで、歯の表面や歯ぐきの境目に付着した歯石やバイオフィルムを、専用の器具で丁寧に取り除いていきます。
STEP4再評価
歯周ポケットが深い場合には、通常のクリーニングだけでは汚れを十分に除去できないことがあります。その際は、必要に応じて麻酔を行い、歯ぐきを開いて歯の根の表面や周囲を清掃する処置を検討します。
STEP5歯周外科治療(再生療法)
歯を支える骨の減少が大きい場合には、状態に応じて再生療法を選択肢のひとつとしてご提案することがあります。適応や見込まれる変化には個人差があるため、事前にしっかりご説明したうえで判断していきます。
STEP6メインテナンス
治療後は、良い状態を保つためのメインテナンスが大切です。歯周病は再発しやすい面もあるため、1〜3ヶ月ごとの定期管理を行い、歯ぐきや骨の状態を確認しながら、専門的なクリーニングでお口の環境を整えていきます。日々のセルフケアと定期的なメインテナンスを続けることが、歯周病の再発予防や、歯を長く守ることにつながります。
「歯周外科治療」で奥深くの歯石を除去
歯周病が進行するにつれて、歯周ポケットはより深くなり、その奥深くに歯石が蓄積していきます。歯周病が重度に進行した場合、通常のクリーニング器具では届かず、歯石を完全に除去することが困難になります。歯石をそのままにしておくと、歯周病はさらに悪化し、最終的には歯の抜歯が避けられない状況になることもあります。
重度の歯周病に対しては、歯肉を外科的に切開し、隠れた歯石を徹底的に取り除く「歯周外科治療」を行います。この治療により、深い部分の歯石を根本から除去し、歯周病の進行を食い止めることが可能です。この方法では、歯と歯肉の健康を回復させ、抜歯を回避することを目指しています。
FOP法
「FOP法」とは、歯茎を外科的に切開し、歯周ポケットの深部に蓄積された歯石を直接除去する先進的な治療法です。この手法により、歯周病の原因である歯石やその他の細菌由来の汚れを根本から取り除くことが可能です。歯石を除去することで、炎症が軽減され、歯周ポケットの深さも次第に浅くなり、健康な状態に回復していきます。
ルートセパレーション
奥歯の根は通常、複数に分かれており、これが歯周病の進行を複雑にします。重度の歯周病が進行すると、これらの根の周囲の骨が徐々に失われ、根の分岐点が露出してしまいます。この分岐点に歯石が付着すると、その位置の特異性から通常のクリーニング方法では除去が困難です。
このような状況に対処するために、「ルートセパレーション」という方法が有効です。この治療では、歯を2〜3のセクションに分割し、それぞれの部分から歯石を容易に取り除けるようにします。歯石除去後は、見た目と機能性を元に戻すために適切な被せ物を取り付けます。この治療法は、特に歯石の位置が複雑でアクセスが難しい場合に推奨され、歯の保存と機能の完全な回復を目指しています。
「歯肉移植術」で失われた歯肉を再生
歯周病が進行するにつれて、歯肉が徐々に失われ、歯が実際よりも長く見えるようになります。これは単に見た目の問題ではなく、普段は歯茎に覆われて保護されている歯の部分が露出することで、知覚過敏をはじめとする様々な問題を引き起こす原因となります。
世田谷で歯周病治療専門外来の世田谷上町エレノア歯科では、このような状態を改善するために「歯肉移植術」という治療法を提供しています。この手術では、患者様の口内の他の健康な部分、通常は上顎の歯肉から、必要な歯肉を採取し、歯肉が失われた部分に移植します。この治療により、失われた歯肉を再生し、歯の見た目と機能を回復させることができます。
注目!当院では「マイクロサージェリー」を行っています
マイクロサージェリーは、歯科治療における精密な手術技術で、マイクロスコープを使用して細部を拡大しながら行われます。この技術により、根管治療や歯周病治療などで、従来の方法では見えにくかった微細な部分まで確認しながら治療が可能です。これにより、治療の精度が向上し、患者の歯や周囲組織を最大限に保護しながら、より良い治療結果が得られます。
歯科衛生士は「担当制」で安心
「エレノア歯科」では、患者さん一人一人に最適なケアを提供するため、「歯科衛生士担当制」を導入しています。この制度により、各患者さんに専属の歯科衛生士が割り当てられ、個別のニーズに基づいた継続的なサポートと指導を行います。